「Googleブック100万冊以上のパブリックドメイン書籍をEPUB形式で公開」で思った事

Googleが先日、Googleブックに公開している100万冊以上のパブリックドメインの書籍を、PDF形式だけではなくXHTMLベースのERUB形式でも公開する事を発表していますが、この記事を見て思った事についてメモ代わりに書いてみます。

Google ブックにおいて、100万冊以上あるパブリックドメイン下の書籍データについては、これまでPDF形式でダウンロードが可能でしたが、これからはEPUB形式でもダウンロードが可能になります。EPUBはIDPF(International Digital Publishing Forum)が定めたオープンな電子ブック規格。中身はXHTMLベースのテキストデータなので、PDFよりレンダリングが容易、折り返しも自由といったメリットがあります。発表になったばかりのソニーReader Daily Editionなど、すでに多くの電子ブックリーダーやスマートフォンが対応済。

まずそもそも英語圏の人がうらやましい

まず英語が読めればすでに100万冊以上の本が無料で読む事が出来るという事実が凄い。日本人である以上、英語をスマートに利用するには大きな壁が殆どの人の前にあるわけで、梅田さんの「ウェブ時代をゆく」にも書かれていたりしたけど、10年後日本は大きなハンデを負う事になってしまう気がする。

10年後の学校の図書館は様変わりしているのではないだろうか?

さらにそこにEPUB形式に対応した事で、より多くの端末で読めるようになるという事は、より処理速度を求めない端末でも読む事が出来るようになるし、レイアウトという概念がなくなるから、逆に解像度も気にしなくて済むようになり、iPhoneとかでも読みやすい形で提供されるようになるだろう。

こうなればおそらく学校の図書館にある本は、まだパブリックドメインになっていない本だけがあるようになり、ほんの管理コストも減るし、古い本を購入するコストも減らせ、より有益な本を購入したりする事が出来る。
さらに生徒一人一人に電子ブックリーダーを配布して、今までは誰かが借りていて読めなかった本もいつでも読める状態にすることも出来る。

とにかく学びたい気持ちがある人にとっては素晴らしい世界になっていくと思う。

足長おじさんの行動も変わる?

世界の足長おじさん達の行動も変わるのではないだろうか。
今までは限られた優秀な子供にしかチャンスを与えられなかったのが、誰でも平等に情報を与える事が出来るようになり、その中から優秀な子供を見つける事が出来るようになるんじゃないだろうか。

個人的にはOLPCiPhoneEPUB形式が読めるツールが用意されれば、より多くの人がやる気さえあれば素晴らしい文学に出会え、素晴らしい教材を得る事が出来、知的に物事を考える人が少しでも増え世界が良い方向に進むようになれば良いと思う。

日本語圏だけでも悲観的になる必要はないのでは?

100万冊以上にアクセスできるという事は「選ぶのに困ってしまう」ことにも繋がる可能性もある。
日本の中にも素晴らしい本があると思うし、日本語圏という限られた範囲でしかパブリックドメインの書籍が得られなくても、優れた知識を得るチャンスは意外にあるのではないだろうか?
ただそうなるにはパブリックドメインとして認められる書籍が増えないといけないし、普通に考えたらパブリックドメインにするべき書籍が、権利者の偏見によって権利が主張されないような体制作り、パブリックドメイン化しても権利者が満足できる仕組みを作っていく事が、課題になっていくのではないかと思う。