「新聞を読め」と言うけれど

この前の会議で社長が新入社員に対して、「新聞を読みなさい」と言っていたんですが、僕はその台詞に違和感を感じてしまいました。

あ、ちなみに僕は新聞を読んでいません(笑)。
でも、世の中の基本的な出来事は把握していますし、何より自分の仕事に必要なIT関連の情報は、社内で一番入手していると自負しています。

多分、僕は経験した事はありませんが、世の中の新入社員さん達でこういう台詞を誰かに言われた方は少なく無いんでしょうね。

何か行動を起こす時に、自分に関係のない知識を持っている事も大事だと言う事は理解出来ますし、世の中で何が起きているかを知る事によって、顧客の動きに変化が生まれるかなど知る事になるという事も理解しています。


ただ、情報の入手や時間の使い方が多種多様になった今、新聞というメディアに固執させるように話をするのはどうかと僕は思うのです。
むしろ大事なのは、「情報を入手し分析をして、仕事や自分の生き方の糧にする」事が大事で、情報を入手する手段はそんなに大事ではないのではと、僕は社長の話を聞いて考えました。

社長も、もしかしたら僕と同じような考えを持っていたかもしれませんが、出た台詞だけで素直に理解してしまえば、意図は伝わっていないでしょう。

新聞というメディアは

新聞というメディアは、お金を払えば自分の家まで届けてくれて、さらに紙のメディアなのでかなりコンパクトに持ち運べ、自分が見たい時に見る事が出来るメディアだと思います。
確かに便利な部分がありますが、逆に固定化された新聞社の思想が反映された情報だったり、その日の情報しか読み取れなかったりする部分もある訳です。

ネットというメディアは

その点ネットでは、簡易的な情報であれば新聞と同じ情報が同じ情報で手に入ります。
お金を払えば、新聞紙で提供される情報と同じ情報を、ネットで提供する新聞社もありますし、さらにはネットは過去の情報を瞬時に調べたり、興味を覚えた情報も新聞に載らないような専門的なところまで調べる事が出来る訳です。

ネットはいつでも見れないメディアと言われていたけど

ネットと言うメディアは、何時どこでも見ることが出来るという点では、新聞に比べてまだ劣りますが、急激に携帯電話のネットワークが進化しているので数年後には気にならなくなる問題だと思います。

実際の僕が済んでいる生活圏では、ウィルコムですぐにいつでもネットの世界に入れるので問題にはなっていません。まあ一般的なニュースを見るには、まだ速度面に問題がある程度でしょうか。

むしろネットは

  • 新聞に比べて日単位ではなく、分秒単位の情報(ニュースを含めて)を入手出来る
  • 権威のある情報(新聞やテレビ)と、権威の無い情報(YouTUbeやブログに代表されるCGM)を入手出来る
  • 大量の情報を検索で一瞬に格付け出来る
  • 得られる情報量で考えて圧倒的にコストがかからない

という点が無人道に巨大化して行く事が確実な今の世の中で、安易に「新聞を読め」だけで済ますのは、新入社員に対して「情報社会で遅れをとりなさい」と言っているようなものなのでは無いのでしょうか。


まあ、社長のという役職にいる人や成功している人は、部下を使えば情報を入手出来たりする立場なので、ネットの利便性に気がつかないんでしょうね。
気がつくのはネットでの金儲けの事ばかりで、実はそれも本質的にネットを理解出来ていないので、資本力も無いのに楽天と同じ事をやろうと、身の丈にあってない事ばかりだったりしてるケースが多いと思います(笑)。

考えれば考えるほど、これからネットが本当の意味で世の中に与える影響をきちんと理解して行く事が、今の自分がやっているウェブサイト制作や、さらには世の中で生き抜く術として重要になって行くのだろうなと、考えました。

僕の考えが正解だとは思っていませんが、もう少し世代や身分(収入)の差がある人間の間で、議論されるべきタイミングに世の中が来ているのかもしれません。